医療現場において、患者への思いやりを持つことを怠ってはいけません。機械的な作業では患者に不快感を与えてしまい、心身の不調につながる恐れがあるためです。しかし、思いやりのある看護は明確な定義が存在せず、患者の考え方や価値観によっても、看護に対する捉え方が変わります。
患者への適切な接し方は経験による部分が大きく、必然的にベテランの看護師ほど思いやりのある看護に長けている結果となるのです。その一方で、慣れからくる初歩的なミスも無視できません。ベテラン故に自身の経験に囚われてしまうケースもあることから、常に柔軟な姿勢を保ちながら、患者ごとに最適な方法で接することが重要です。

思いやりを持った看護は人それぞれですが、体調確認や衛生管理の徹底など、医療現場での基礎を下地にする点は共通しています。口では患者を気遣うようなことをいっても、看護がそれに伴っていなければ意味がありません。患者の状態を正しく認識し、適切に対処することが思いやりのある看護になります。小さい子どもや高齢者は体力が少ないので、特に注意が大切です。
怪我や病気による体調不良で不安や焦りを感じているので、心身の不調を改善させるように努める必要があります。患者の不安を取り除き、前向きな思考ができるように支えるのも、思いやりのある看護の1つです。心を支える看護はマニュアル化できるものではないので、正しい判断ができるようになるには、経験を積むと共に患者の心情を理解することが肝心といえます。